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Channel: にいはんは周回遅れ
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イタリア街――贅沢極まる仮住まい

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オーマイニュース(以下OMN)社が、今年4月に移転したばかりの港区東新橋(通称イタリア街)の本社をひっそりと引き払い、12月22日付で中央区八丁堀に再移転していました。

OMN最初の本社だった三興第一ビルは、もとから再開発事業が決定していた場所にあり、それを承知で本社を構えた以上、いずれ移転する事は明らかでした。移転の際には事前に編集部からアナウンスがありましたし、また、それとは別に、市民記者・編集部員ともに関連記事を執筆・掲載しており、記事やコメントを読むとOMN発祥の地への惜別の念を特に強く感じます。

当時と比較すると、今回はアナウンスもなく、いつの間にか会社案内のページが書き換えられていただけ。個人的には、たった8ヶ月しかイタリア街にいられなかった会社として、その名前を世間に知られたくなかったのではないかと思われてなりません。

しかし、OMN社の現状を考えればこれは全く恥じる事ではなく、単に身の丈に合った場所に移っただけなのですから、きちんとアナウンスすればいいのにと思ってしまいます。以前、イタリア街のオフィスを取材して記事にした三田典玄氏あたりに依頼して、再度記事を書いてもらう手もありかもしれません。

さて、イタリア街の旧本社八丁堀の新本社を比較すると、73坪あった坪数は半分以下の34坪になっています。現在の業務上必要なスペースはこの程度が適当だという事になります。

OMN社が大規模なリストラを行った後、遅くとも今年8月以降は現在の人数で仕事をこなしてきたはずです。それから4ヶ月、ただでさえ坪当たりの賃料が高い上に広いオフィスにとどまらざるを得なかった事情は知る由もありませんが、無駄なスペースに賃料を支払い続けるとは、実にもったいない事をしたものです。

そして、前述のリンクによれば新本社の賃料は月々約37万円。以前のエントリのコメント欄で、名無しヲチャーさんが試算した旧本社の賃料は月々ざっくり150〜200万円。これは私の試算ともほぼ一致する数字です。立地以外にも、築5年と築23年の違いも賃料に反映されたとみえ、賃料の負担は単純計算で4分の1から5分の1程度に大幅に軽減されます。オーマイライフになってからもPVが伸びたという噂もなく、収入面で大幅な改善があるとは考えづらい状況で、月々の支出が100万円以上減る事は、OMN社の財政的に大きなプラスでしょう。

市民記者の原稿料カット・社員のリストラ・本社移転の3点セットで徹底した経費の切り詰めを行ったOMN社は、相当身軽になったはずです。あとは前に進むだけ絶壁をよじ登り、再出発のスタートラインに立つだけです。


今年3月、親会社であるソフトバンクの孫正義氏から追加融資を断られ、韓国のある企業から融資を受けて生き延びたOMN社【註】。


孫氏から融資を再開してもらえる状況まで会社を立て直せれば、再出発のスタートラインに立ったといってもいいでしょう。無借金経営に越した事はありませんが、差しあたってこれをOMN社の来年の目標に掲げてみてはいかがでしょうか?


【註】
日経ビジネス 2008年10月20日号 「敗軍の将、兵を語る」 元木昌彦氏(P96〜99) より一部抜粋


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